ベトナム社会主義共和国(ベトナムしゃかいしゅぎきょうわこく)、通称ベトナムは、東アジア・東南アジアのインドシナ半島東岸にある南北に長い国。北を中華人民共和国と、西をラオス、カンボジアと国境を接する。東は、南シナ海に面し、フィリピンと対する。
ベトナム社会主義共和国 Cng Hoà Xã Hi Ch Nghĩa Vit Nam| (国旗) | (国章) |
| 公用語 | ベトナム語 | ||||||||||||||||||||
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| 首都 | ハノイ | ||||||||||||||||||||
| 最大の都市 | ホーチミン市 | ||||||||||||||||||||
元首
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| 独立 - 宣言 - 承認 |
フランス、日本より 1945年9月2日 1954年 |
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| 通貨 | ドン ( / Đng ; 銅)(VND) | ||||||||||||||||||||
| 時間帯 | UTC (+7)(DST: なし) | ||||||||||||||||||||
| ccTLD | 不明 | ||||||||||||||||||||
| 国際電話番号 | 84 | ||||||||||||||||||||
目次
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正式名称はベトナム語で「Cng Hoà Xã Hi Ch Nghĩa Vit Nam」。略称は「Vit Nam」である。フランス語では「République socialiste du Viêt Nam |」。
公式の英語表記は「Socialist Republic of Vietnam」、略称は「Vietnam」、または「SRV」。
日本語表記は「ベトナム社会主義共和国」。通称は「ベトナム」、漢字は「越南」(えつなん)である。「ヴェトナム」や「ヴィエトナム」という表記も使われる。
ベトナム語による名称「Cng-hòa Xã-hi Ch-nghĩa Vit-nam」は「共和社会主義越南」という漢字に対応する。
詳細はベトナムの歴史を参照
紀元前から北部ベトナムの紅河(ホンハー)流域一帯には東南アジア最古の青銅器文化として知られる東山(ドンソン)文化が広がり、原始的な部族国家群を形成していた。これがいわゆる古越人(後のベト族)である。また中国・紹興一帯を支配した越の末裔が、民族のルーツとの説もある。 秦始皇帝以後、千年にわたって中国王朝の郡県支配を受け、中国文化の影響が深く浸透したが、完全に中国化することはなかった。一方中部ベトナムではオーストロネシア語族系統の古チャム人(後のチャム族)がインド化されたチャンパ王国を形成していた。唐末五代の混乱で中国の支配が後退すると939年に最初の民族王朝呉朝が成立、以後 越人の王朝「大越」が続く。大越は南のチャンパと抗争を繰り返したが、チャンパ領は14世紀に越都昇龍(タンロン)を2度攻略した制逢峨(チェーボンガー)の死後 内紛で割拠状態に陥り、1471年以降大越黎朝(1428-1788)及びその諸侯である広南阮氏がこれらを各個撃破して南進し、広南阮氏は更に17世紀にカンボジア領であったメコン川流域まで併合して今日のベトナム領土が完成した。
北部-漢、隋、唐 南部-不明
北部-李朝大越国 南部-チャンパ王国
北部-陳朝大越国 南部-チャンパ王国
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共産主義思想 国際組織 主な社会主義国 人物 出来事 |
| 表・話・編・歴 |
政治はベトナム共産党(ベトナム戦争中は「ベトナム労働党」)による事実上の一党独裁政治が行なわれている。名目的に存在した民主党、社会党は80年代末に解散され、複数政党制から単独政党制に移行した。現在でも、しばしば政治の民主化を望む人々が逮捕されることがある。党書記長(党総秘書)、国家主席、政府首相の3人を中心とした集団指導体制であり、現在の共産党中央執行班書記長はノン・ドゥク・マイン、国家元首はグエン・ミン・チェットであり、政府首相はグエン・タン・ズン。
建国以来、一貫して集団指導による国家運営を行っており、故ホー・チ・ミン主席も独裁的な権力を有したことはなく、ベトナム戦争中の一時期には失脚に近い状態にあったとも言われている。
政府の運営は、極めて官僚的であり、中国に類似している。
ベトナムの国会は、2006年6月27日、チャン・ドゥク・ルオン国家主席の引退に伴い、新国家主席にベトナム共産党のグエン・ミン・チェット政治局員(党ホーチミン市委員会委員長、「城委秘書」)を選出した。また、国会は引退するファン・ヴァン・カイ首相の後任にグエン・タン・ズン党政治局員を選出した。国会は、28日、新首相の提案に基づき8閣僚の交代人事を承認した。ダオ・ディン・ビン交通運輸相は同省傘下の疑獄事件で指導責任を問われ、事実上更迭された。
国外には旧ベトナム共和国(越南共和、南ベトナム政府、1955-1975)の政府関係者を中心とした反共産党政府組織が幾つか存在しており、特にアメリカを根拠地とする「自由ベトナム政府」は、2000年前後に、ベトナム政府の主張によれば、ベトナム国内外でテロ活動を実施(或いは実施未遂)したと言われている。しかし、これらの反政府組織は今なおベトナム共和国時代の対立を解消できておらず、1960年代に南ベトナムからの独立を企てた中部高原諸民族及びチャム族の抵抗組織フルロ(FULRO)関係者はこれらの組織とは対立関係にあり、各組織の力を一つに集めることができるリーダーシップを有した指導者が存在しない。また、1975年のベトナム共和国消滅から30年以上経ち、世代ごとの反共主義に対する考え方の違いが鮮明になりつつあることから、最近では必ずしも亡命ベトナム人の間で反政府組織が支持されるとは限らなくなっている。
国会 (ベトナム) も参照。
定員500名 任期5年
投票率:99.64%(2007年)(2007年5月29日現在) ς
ベトナム人民軍は1944年12月22日に建軍された。徴兵制を採用しており、18-27歳の男子に原則として2年の兵役義務がある。主力部隊、地方部隊、民兵の三結合方式による全国民国防体制を採用する。国家国防安全委員会主席は国家主席が兼任し、首相が副主席である。中越戦争時には正規軍だけで170万人の兵力を有していたが、48万4000人まで削減された。陸軍41万2000人、海軍4万2000人、防空・空軍3万人である。このほか、予備役と民兵が300-400万人。予備役将校の職業はさまざまで、高級官僚や大学教授も少なくない。国防予算は推定約32億米ドルである。
詳細はベトナムの地方行政区画を参照
2003年11月の改正により、59省と、5の中央直轄市となった。中央直轄市は、ハノイ(河内)、ホーチミン(胡志明市)、ダナン(沱)、ハイフォン(海防)、カントー(芹苴)。もっとも北に位置する省は、ハーザン省(Hà Giang, 河江)、もっとも南は、カマウ省(Cà Mau)である。
最大の都市は、南部のホーチミン(人口486万人、2003年)、次いで北部の首都ハノイ(183万4000人)、ハイフォン(64万6000人)、ダナン(59万1000人)、ビエンホア(40万7000人)である。人口10万人以上の都市は2003年時点で29都市存在した。
ベトナムの国土は南北1,650km、東西600kmに広がる。インドシナ半島の太平洋岸に平行して南北に伸びるチュオンソン山脈(アンナン山脈)の東側に国土の大半が属するため、東西の幅は最も狭い部分でわずか50kmしかない。細長いS字に似た国土の形状を、ベトナムでは米かごを吊るす天秤棒に例えている。天秤棒の両端には大規模なデルタが広がり、人口の7割が集中する。北のデルタは、紅河(ソンコイ川)によるもので、首都ハノイのほか港湾都市ハイフォンが位置する。南のデルタはメコン川によるもので、最大の都市ホーチミンを擁する。
沿岸の総延長距離は3,260km、北部国境(中国国境)の長さは1,150km、国境の総延長距離は、6,127kmである。
沿岸には北部を除き、島嶼がほとんど存在しない。本土から離れた領土としてホーチミンから約600kmの東、南シナ海に浮かぶチュオンサ群島(スプラトリー諸島、南沙諸島)と、ダナンの約400km東のホアンサ群島(パラセル諸島、西沙諸島)の領有権を主張している。チュオンサ群島は一部を実効支配し、ホアンサ群島は全体が中国の実効支配下にある。ベトナム最大の島は、最西端の領土となるシャム湾に浮かぶフークォック島である。
主要な河川は紅河(支流であるカウ川、ロー川、ダーツ川)、ダンホアに河口をもつカー川、中部のバー川、南部のドンナイ川、メコン川である。天然の湖沼はデルタに残る三日月湖がほとんどである。最高峰は北部国境に近いファンシーパン山(3,143m)。アンナン山脈中の最高峰は中部のフエやダナンに近いアトゥアト山(2,500m)である。
ベトナム全土は北回帰線よりも南に位置し、赤道近くまで伸びる(本土の最南端は北緯8度33分)。このため南西モンスーンの影響を強く受ける。7月から11月まで台風の影響を受け、特に国土の中央部が被害を受けやすい。
北部は温帯性の気候であり、4月から10月までが雨期となる。首都ハノイの平均気温は1月が16度、7月が29度である。年平均降水量は1,704mm。チュオンソン山脈の影響により、山岳地帯では降水量が4,000mmを超える場所もある。ケッペンの気候区分では、温暖冬季少雨気候(Cw)に分類されている。
南部は熱帯性気候下にある(ケッペンによる気候区分はサバナ気候=Aw)。平均気温は1月が18度、7月が33度だが、平均降水量は1,000mmと少ない。 北部には紅河、黒河(ダー川)、南部には九龍江(メコン川)が広がる。
1986年12月のベトナム共産党第6回大会で、社会主義に市場経済システムを取り入れるというドイモイ政策が採択、中国と同様に改革・開放路線へと転換した。1996年のベトナム共産党第8回大会では、2020年までに工業国入りを目指す「工業化と近代化」を二大戦略とする政治報告を採択した。
政府開発援助と外国投資が経済を牽引している。アジア通貨危機で一時失速した国内総生産(GDP)の成長率も、2001年は6.8%、02年7.0%、03年7.2%、04年7.7%と安定成長が続いている。中国では人件費が上昇基調にあることから、新たな投資先として近年、注目されている。こうしたことからも、WTO加盟が政府にとって重要な目標となっていたが、2007年1月、ようやくWTOに加盟した。
労働人口の66%が第一次産業に従事しているが、近年は第二、第三次産業が急成長。観光業の伸びが特に著しく、重要な外貨獲得源となっている。
主な輸出品目は原油、衣料品、農水産物。特にコメについては、タイに次ぐ世界第二位の輸出国であったが、現在は輸出制限措置をとっている。
コーヒーは、現在ではブラジルに次ぎ、世界第2の生産量(99万トン、2003年)に達している。大部分が、インスタントコーヒー、缶やペットボトル入りの清涼飲料、製菓用抔で使われる安価なロブスタ種(カネフォラ種)であるが、レギュラーコーヒーに使われる高級品のアラビカ種の栽培も始まっている。
ベトナムは石炭・石油を中心とした有機鉱物資源、スズを中心とした金属鉱物資源に恵まれている。北部ハロン(ホンゲイ)から産出する石炭は上質の無煙炭であり、19世紀末からホンゲイ炭として採掘が始まっている。2003年時点の採掘量は1670万トン。ベトナムは産油国でもあり、1660万トンの原油を産出する。輸出品目の第一位は石油であり、2002年時点では全輸出額の19.6%を占めた。天然ガスの採取量は126千兆ジュール。
金属鉱物資源は、北部デルタ周囲の丘陵地帯に主に産する。もっとも重要なのが世界第4位のスズ(4000トン、世界シェア1.5%、2005年)。亜鉛、金、クロム、鉄、鉛のほか、リン鉱石を産出する。
住民はベト人(越人、京人)が85%から90%、その他にホア族(華人)3%、タイ人(ターイ族、タイー族)、クメール人(クメール族)、ムオン族、メア族、モン族(ミャオ族)、ザオ族、チャム族などの53の少数民族がいる。
言語はベトナム語(越語)が公用語である。その他、華語、クメール語、ロシア語なども使われており、フランス領インドシナ時代の影響から、少数のエリート層の間では、フランス語も話されている。
宗教は仏教(主に大乗仏教)が大半を占めている。その他、道教、ローマ・カトリックなどがある。また南部にはホアハオ教や、混淆宗教としてのカオダイ教が教勢を保っている。
ベトナム国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が3件、自然遺産が2件ある。詳細は、ベトナムの世界遺産を参照。
| 日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
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| 1月1日 | 正月 | Tt Tây | |
| 旧暦12月31日〜1月3日 | 旧正月 | Tt Nguyên Đán | |
| 旧暦3月10日 | フンヴオン(雄王、紀元前にベトナム北部を初めて統一したとされる王家)を祭る日 | 2007年は4月26日 | |
| 4月30日 | 南部解放記念日 | Ngày Gii Phóng | サイゴン陥落(1975年) |
| 5月1日 | 国際労働日 | Ngày Quc T Lao Đng | |
| 9月2日 | 建国記念日 | Quc Khánh | 独立宣言(1945年) |
白井洋子著「ベトナム戦争のアメリカ」刀水書房 ISBN 4-88708-352-1
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|---|---|
| 東アジア | 大韓民国 | 朝鮮民主主義人民共和国 | 中華人民共和国 | 日本 | モンゴル |
| 東南アジア | インドネシア | カンボジア | シンガポール | タイ | 東ティモール | フィリピン | ブルネイ | ベトナム | マレーシア | ミャンマー | ラオス |
| 南アジア | インド | スリランカ | ネパール | パキスタン | バングラデシュ | ブータン | モルディブ |
| 中央アジア | ウズベキスタン | カザフスタン | キルギス | タジキスタン | トルクメニスタン |
| 西アジア | アゼルバイジャン | アフガニスタン | アラブ首長国連邦 | アルメニア | イエメン | イスラエル | イラク | イラン | オマーン | カタール | キプロス | クウェート | グルジア | サウジアラビア | シリア | トルコ | バーレーン | ヨルダン | レバノン |
| その他 | アブハジア | 北キプロス | 中華民国(台湾) | ナゴルノ・カラバフ | パレスチナ | 南オセチア |
| 地域 | イギリス:アクロティリ・デケリア | オーストラリア:クリスマス島 - ココス (キーリング) 諸島 | 中華人民共和国:香港 - マカオ |
「その他」は国家の承認を得る国が少ない、または無い国、あるいは独立主張をしている国。国際連合非加盟。事実上独立した地域一覧も参照。
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| インドネシア | シンガポール | タイ王国 | フィリピン | マレーシア | ブルネイ | ベトナム | ミャンマー | ラオス | カンボジア |
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